表紙で買った本 (連載 96)


   友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の

あいだに出会った たくさんの本の中から

ポツリ ポツリと 気の向くままに

選んでもらって ご紹介致します。




96


A moveable Feast

Ernest Hemingway


ヘミングウェイは、小説家を志し、他の仕事を一切

せず、貧乏ながら毎日作品作りに精を出していた。

これは当時を振り返って書いた回想録。

フォード・マードックス、スコット・フィッジェラルド、

ガートルード・スティンなどが会話形式で描か

れているのが興味深い。作家の死後発表された

( 1964年 ) のには意味があった。

ロスト・ジェネレーションの意味もここに出てくる。

有名無名の人々と沢山交遊し、そして自分の考え、

スタイルを築いてゆくヘミングウェイにとって

当時のパリは楽園 ( パラダイス ) に一番近か

ったのかもしれない。

そして、無名の彼には何も失う物がなかった。












A MOVEABLE FEAST
Ernest Hemingway
( C ) / 1965/ BANTAM BOOKS