表紙で買った本 (連載 94)


   友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の

あいだに出会った たくさんの本の中から

ポツリ ポツリと 気の向くままに

選んでもらって ご紹介致します。




94


AESOP'S FABLES



田舎のねずみと都会のねずみ、うさぎとかめ、蟻

とキリギリス、羊飼いとおおかみ ( おおかみが出

るぞー ) など、イソップの寓話は私達に馴染み深い

ものが多い、というより話としてはたぶん

最古のものに近い ( 600〜500B.C )。

ただの昔話などと侮ってはいけない。

そこには、先人の教えが深く眠っている。



「 狩人と漁夫 」 という話がある。

狩人が今日の獲物を積んで山から下りてくると、

桶一杯魚を捕った漁夫と出会う。

狩人は、漁夫の魚に見とれ、晩飯にいいなと思い、

漁夫は、狩人の獲物を欲しいと思った。

そして二人はすぐに物々交換に同意し、それからは

その日のお互いの獲物を毎日交換し合った。

ある時近所の人が、

” もし その日の獲物をずっと毎日交換し続けて

いると、交換する喜びも無くなってしまうし、

捕まえた分だけしか捕らなくなるぞ ” 

と言った。


( 喜びは 我慢することで何倍にも膨れる )






AESOP'S FABLES
( C ) / 2004/ SIGNET CLASSICS