友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の
あいだに出会った たくさんの本の中から
ポツリ ポツリと 気の向くままに
選んでもらって ご紹介致します。
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The House of Dead
FYODOR DOSTOYEVSKY
ドストエフスキーは1850年からシベリアの刑務所送りで
4年程そこで過ごす。これは、その経験をもとに書かれたと
言われている。 刑務所というと暗いイメージがあるが、
この本では随分明るく書かれている。囚人達が個性的で
読んでいるとそのやり取りが楽しい。
物があふれている現代社会において、刑務所の生活は
質素で慎ましやかにも見える。囚人にとって、自由という
のはほんとうに意味のある重い言葉だ。それは刑務
所に生活した者だけが理解できる。
自由を失ったときに人は初めてその意味を知る。
ドストエフスキーの4年間は、その自由を再確認する
ために必要な時間だった。
THE HOUSE OF DEAD
FYODOR DOSTOYEVSKY
( C ) / 1860,1985 / Penguin classics
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