友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の
あいだに出会った たくさんの本の中から
ポツリ ポツリと 気の向くままに
選んでもらって ご紹介致します。
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VENICE
JOHN JULIUS NORWICH
もちろん ヴェニスの案内書なのだけれど、
それをいろいろな人達が紹介している ( バイロン、
ゲーテ、ワーグナー、カサノバ e.t.c. ) 。
けれど、ヴェニスの朝市をこれ程みごとに言葉を使って
表現したものに出会ったことがない。
本文はもう少し長いが、これでも十分に朝市の色の
キャンバスを味わえる。
「 ここでは キャベツがコバルトブルー、ビーツは深い
赤 ( deep rose ) ピーチ、チェリー、アプリコットの色は、
青色をした砂糖袋の線の入ったボックスにパックされ、
それが積み荷を降ろしている男たちの履いている青いキャンバスの
ズボンにマッチして、ボラ ( rose-red mullet ) に反射し殻から
取り出されたオレンジの vongol と canestrelle が
バスケットに飛び込んでいる。
ひらめ、そして 縞の入ったあの醜いカンギエイ ( 魚 ) でさえ
デリケートなライラック色だ。
サーディーンは真新しいシルヴァーのコインのように輝き、
ヴェニスのスカンピ ( 海老 ) は新鮮で太っていて、まだ暗い
夜明けに限りなく魅了される。」
63. Elizabeth David / Italian Food, 1954
VENICE
JOHN JULIUS NORWICH
( C ) / 2002
( C )Robinson
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