表紙で買った本 (連載 50)


   友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の

あいだに出会った たくさんの本の中から

ポツリ ポツリと 気の向くままに

選んでもらって ご紹介致します。




50



SHAKESPEARE AND COMPANY

SYLVIA BEACH



シルビア・ビイチは 1919年パリで本屋 シェイクスピア&カンパニイ

をOPENする。そして次の年 ジェイムズ・ジョイスと会い、

あの悪名高き?「 ユリシイズ 」 を出版する。

言ってみれば出版などに関わったことなど一度もない素人が

本を出版。しかもその本は誰も出版したがらない猥褻な本で、

作家のみならず出版社、印刷会社も捕まってしまうという代物。

けれど シルビア・ビイチはそこに高い文学性、

そしてクリエイティビティーを見る。

ジョイスにすると ” 何故 very beautiful というのか?

 beautiful で充分じゃないか ”

本の題は 「 シェイクスピア & カンパニー 」 だが、

中身は ユリシーズ奮闘記だ。 

その他、ヘミングウェイ、エズラ・バウンド、シャーウッド・アンダソン、

フィッジェラルドなどが20年代30年代と本屋に出入りした。

ユリシイズは彼女がいなかったら数年出版が遅れていただろうし

文学界もまた違うものになっていたかもしれない。








SHAKESPEARE AND COMPANY


(C)SYLVIA BEACH

1956,1959, HARCOURT,BRACE AND COMPANY