表紙で買った本 (連載 127)


   友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の

あいだに出会った たくさんの本の中から

ポツリ ポツリと 気の向くままに

選んでもらって ご紹介致します。




127


THE MOST DANGEROUS BOOK

Kevin Birmingham


ユリシーズは、ジェームス・ジョイスが約8年を費やした

作品。それが1922年、シェイクスピア&カンパニィ書店

から出版される事になる。

けれど、ユリシーズは問題を沢山抱えている本だった。

まず、猥褻な箇所が沢山あり、それが全面に出て

文学作品としての評価がされにくい。

そして、ユリシーズを文学作品と認めない文学愛好家が

沢山いるのも事実だ。作者 ( ケヴィン・バーミンガム )

は、ジョイスがダブリンを離れて、チューリッヒ、イタリア、

そしてパリへと移り住む様子を時代毎に追い、

ユリシーズの進行状況と一緒にまとめた。


シェイクスピア&カンパニィ書店の地下室に積み上げられた

ユリシーズは、資本主義社会を今にもダイナマイトで

ぶっ飛ばすようにも見えた。

けれどそのダイナマイトはショイスがノラ ( 妻 ) に書いた

一冊の本だった。












The collected writings of Zelda Fitzgerald
Edited by Matthew J.bruccoli

( C )1992/The University of Alabama Press