表紙で買った本 (連載 №147)


   友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の

あいだに出会った たくさんの本の中から

ポツリ ポツリと 気の向くままに

選んでもらって ご紹介致します。




№147



THE QUIET AMERICAN

Graham Greene



「 ”遅くても10時には行く ”と言われたが12時になった

ので待っていられず階段を降りて通りに出た。」


と最初のページから不安を前に出し、テンポのいい語り

で始まる物語は、グラハム・グリーンにしては

かなりアメリカンスタイルの、

ハードボイルドに近い作風だ。

パイルと呼ばれる人物は CIAのエージェントで、

まだ人生経験が浅く、本で読んだ事が現実より

重要だと考るきらいがある。

その彼がベトナムにやってくる。

そして、イギリス人の経験豊富で少し皮肉屋の

リポーター、ホウラー。

CIA、フランス、ベトナム、コミュニストと、舞台は

いたるところで出血するが、それをリポーターの

ホウラーが言葉少なく冷静に物語る。

もちろんドラッグも大量に出てくる。






















THE QUIET AMERICAN


Graham Greene

( C )1956, 2004 / CENTENNIAL 1904-2004