表紙で買った本 (連載 93)


   友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の

あいだに出会った たくさんの本の中から

ポツリ ポツリと 気の向くままに

選んでもらって ご紹介致します。




93


SIDDHARTHA

Hermann Hesse



キリスト教から離れて、東洋の司教に光を求めて

書いた本がこの本だ。 

一人の仏教徒が悟りをひらくまでの話を

メルヘン ( おとぎ話 ) 風に描いている。

舞台はアジア。 

当時のヘッセの内面的な考え方が、

仏教という ” 静 ” をうまく物語に組み入れ、

心の安らぎを与えてくれる。 初版は1922年。 

1960年代アメリカでは、

悩める若者の心を掴んだ一冊だと、

『 アルケミスト 』 の作者が序文で自分の体験と

一緒に紹介しているのが興味深い。





Hermann Hesse

SIDDHARTHA
( C ) / 2008/ PENGUIN CLASSICS