友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の
あいだに出会った たくさんの本の中から
ポツリ ポツリと 気の向くままに
選んでもらって ご紹介致します。
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MUNICH
Telford taylor
1938年ミュンヘン ( ドイツ ) 、ここで当時の4大勢力
イギリス、フランス、ドイツ、そしてイタリアの大物たち
が顔を合わせ会議を行った。イギリスは戦争をする
のには常に反対の立場をとり、フランスは自衛をする
だけのチカラが不足で、それをイギリスに頼るが、
イギリスは自国の防衛だけで精一杯という、なんとも
恥ずかしい話がこのヨーロッパにおける第二次世界
大戦の始まりだった。
ドイツがチェコスロバキアに侵略しようとして、それを
イギリスとフランスがなんとか話し合いで解決しようとした
が、ヒットラーは、イギリス国家の内情と同じく、フランス
の内情を十分に掌握していた。
そこでまず、チェコスロバキアを、そしてポーランドを
手中に収めてゆく ( ほとんど武力を使わないで )。
イギリスとフランスはただそれを見ているだけだった。
ミュンヘンというと、物事を武力ではなく、話し合いで
答えを出す、という意味で使われるようになったのも
この会合の後からだ。けれど、それはまず、裏切るという
意味が含まれていて、けっしていい意味ではない。
telford Taylor
MUNICH
( C ) / 1980 / VINTAGE BOOKS EDITION
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