表紙で買った本 (連載 82)


   友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の

あいだに出会った たくさんの本の中から

ポツリ ポツリと 気の向くままに

選んでもらって ご紹介致します。




82


The Arabian Nights

Tales of 1001 Nights, volum 3


中世のヨーロピアン ( クリスチャン ) は、アジア ( 中

近東 ) には、人食い人種 と 犬頭の男達が住んでいて、

羊が草木と同じように土に生えていると信じ込んでいた。

というのも、当時の旅行記 ( ジョン・デ・マンデビル ) が

アームチェアートラベラー ( 長椅子旅行者 ) のために

真実よりもエンタテイメントを前面に出し過ぎたため

そうなってしまった ( 1357 〜 1371 ) 。

アジア、そして イスラム文化となると全く知識のない

ヨーロピアンにとって、時々耳にする話はやはり信じ

がたいものがたくさんあったに違いない。

チョーサーのカンタベリー物語 ( 1387 〜 1400 ) にある

未完の 「 地主の話 」 などは、アラビアンナイトを抜き

にしては考えられない。これは、チョーサーが1400年

には、アラビアンナイトを知っていたということだ。


「 アラジンの魔法のランプ 」 は、この本の最後に収められて

いるが、アラビアンナイトの ” ノリ ” に今ひとつ欠ける。

オリジナルのアラブ語がない、という事がそれなのか?














The Arabian Nights

Tales of 1001 nights , volum 3

( C ) / 2010 / penguin classics