表紙で買った本 (連載 65)


   友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の

あいだに出会った たくさんの本の中から

ポツリ ポツリと 気の向くままに

選んでもらって ご紹介致します。




65


THE SPIDER'S HOUSE

PAUL BOWLES




フランスが1954年、モロッコを侵略する。

それまで平和にみえた街フェズ ( フェズ )

にも、その影響が出始める。

アマール ( Amar ) は父を通してアラブの

世界を知り、取り残された外国人を通して

異教徒の世界をのぞく。キリスト教とイスラム教

が背中を合わせ、ときには危なくなりながら

話が進んでゆく。

イスラム教は神にすべてをゆだねる宗教だ。

( Islam,the religion of surrender )

アマールはこの教えを信じて疑わない。


ポール・ボウルズの文章が時折、太陽に照りつけられた

石のように熱く、手に持っていられなくなる。








THE SPIDER'S HOUSE

PAWL BOWLES

( C ) / 1955
( C )ABACUS