表紙で買った本 (連載 39)


   友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の

あいだに出会った たくさんの本の中から

ポツリ ポツリと 気の向くままに

選んでもらって ご紹介致します。




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LADY CHATTERLEY'S LOVER




当時(1925)英語圏でもとも猥褻な本と言われた

ロレンスの最後の小説”チャタレー夫人の恋人”は

フローレンス(イタリア)で自費出版された。



タイピストが第六章を終え,そのあとタイプを拒んだ

理由は内容があまりにも”いやらしすぎる”



ロレンスのドイツ人妻フリーダとイタリア農夫との

関係を元として書かれたと言われる

(彼は最後彼女の三番目の夫になる)

この本は、イギリスとアメリカで発禁本となり

1959年の裁判で無罪となる迄、海賊版が出回る。

ロレンスはパリのジェイムズ・ジョイスの出版社

シルヴィア・ビッチを訪ね出版を頼むが断られる。

シルヴィア・ビッチは1922年にジョイスの

ユリシイズを出版し彼女の会社

”ジェックスピア・カンパニー”の名を文学史に残すが

ロレンスの出版を拒んだ理由のひとつに

”自分の会社がエロチカの出版社という名前を

貼られたくなかった。”


(I didn’t want to get a name 
as a publisher of ertica)


ロレンスは44歳で結核で死亡。 




LADY CHATTERLEY’S LOVER
D.H.LAWRENCE

The modern library classics
(C)2001