表紙で買った本 (連載 126)


   友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の

あいだに出会った たくさんの本の中から

ポツリ ポツリと 気の向くままに

選んでもらって ご紹介致します。




126



The collected writings of Zelda Fitzgerald

Edited by Matthew J.Bruccoli



スコット・フィッジェラルドの妻ゼルダは、

小説1編を残しただけで他界。

生前に出版された短編などを集めたのが、この本。

ゼルダの作品でありながら、スコットの名前で出版され

たり、二人の共同制作とありながらゼルダの作だったり

と、いろいろな問題があるが、当時は、” スコット・フィッジ

ェラルドの妻 ” という考え方が男性社会である出版界に

あり、ゼルダの小説家としてのチャンスは少なかった。

私小説の 『 Save me the waltz 』 ( 1932 ) は、ゼルダの

小説家の声がきこえる唯一の作品で、

ダンスに夢中になる女を描いている。

体を痛めつけ練習して、汗をかき、他のことは考えない。

スコットとゼルダは酒に溺れ、パーティを朝まで遊び続けた

悪い代名詞によく使われるが、

それ以外にもある、と思わせる作品集。













The collected writings of Zelda Fitzgerald
Edited by Matthew J.bruccoli

( C )1992/The University of Alabama Press