表紙で買った本 (連載 124)


   友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の

あいだに出会った たくさんの本の中から

ポツリ ポツリと 気の向くままに

選んでもらって ご紹介致します。




124








MIDNIGHT EXPRESS

Billy Hayes


1970年、

60年代のヒッピー世代のなごりか、マリワナやハッシッシ

を喫って毎日を過ごし、あまり働きたくない、という風潮が

ヨーロッパ、アメリカには沢山あった。

それは、沢山勉強して大学を出て、というコースに疑問

を持ち始め、会社に入社する前にとにかく旅行する、

他の文化、国を観るという動きでもあった。

またその中で、60年の中くらいからベトナム戦争が

毎日テレビで放映され、茶の間の戦争ともいわれ、

アメリカ政府とベトナムの戦争、大国と小国の戦いに

みんなうんざりし始めていた。

反戦運動も次第に大きくなり、もうアメリカ国民は

政府を信用してはいなかった。

1970年10月、

アメリカ人ビリーは、ハッシッシを体に巻いて飛行機に

乗り込もうとして、その前のチェックでつかまってしまう。

当時、アフガニスタンから車にハッシッシを詰め込み

そのままヨーロッパに向かうという事件が沢山新聞を

賑わせていた。安く買って市場のヨーロッパで高く売り、

ひと山当てようと、みな思い、みなそう行動した。

自分ならうまくやれると誰もが思って、みな失敗して

しまう。もちろんビリーもその一人だった。

学生の時からマリワナを喫っていた彼にしてみれば、

ちょっとした冒険だったのかもしれない。

映画では、ブラッド・デイビスがビリー役を演じ、

アラン・パーカーが指揮をとり、

脚本はオリバー・ストーンが書いた。











MIDNIGHT EXPRESS
Billy Hayes

( C ) 1977 / Pupular library