表紙で買った本 (連載 122)


   友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の

あいだに出会った たくさんの本の中から

ポツリ ポツリと 気の向くままに

選んでもらって ご紹介致します。




122








THE CATCHER IN THE RYE

J.D.SALINGER




思春期。

この、「 子供 」 から 「 子供大人 」 そして

「 大人 」の過程は、人生の中で一番胸がワクワク、

そして悲しい時間だ。 

胸がワクワク、それはこれから社会という

大人の世界に足を踏み入れる事で、

悲しいというのは、

子供の世界に別れを告げる事だ。

それをあまり意識せず、気がついたらサラリーマン

になっていた、、、という人達は幸せで、

ほとんどが持っていたものを半分以上捨ててしまう。

それは必要のないものなのかもしれないけれど、

人は自分の持ち物を捨ててしまうと、

本人でいることが難しいのが常だ。

この本の主人公・ホールデンはまさにその真っ直中。

選択を迫られる。










THE CATCHER IN THE RYE
J.D.Salinger

( C ) 1972 / BANTAM BOOK