表紙で買った本 (連載 120)


   友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の

あいだに出会った たくさんの本の中から

ポツリ ポツリと 気の向くままに

選んでもらって ご紹介致します。




120








STOMPING THE BLUES

Albert Murray


ジャズとブルースの関係は

まるで二つが一心同体の様である。

ブルースをジャズから取り除くとジャズらしさ

( feeling ) が失せてしまい、

何か他の音楽と区別がつかなくなってしまう。

ブルースの女王と呼ばれたベシイ・スミスは、ブルース

しか歌わなかった。彼女のレコードを聴くと胸にぐっと

くるのは、彼女の力強い声が聴く者を無理にでも納得

させてしまう特別なものを持っていたからなのだろう。

ルイ・アームストロングから始まり、エリントン、チャー

リー・パーカー、マイルス・デイビス、コルトレーン、

ソニー・ロリンズ、オーネット・コールマン、と、

ほとんど総てのミュージシャンが自分達なりの方法で

ブルースを理解して、それをプレイしている。

黒人の手による希なブルースの解説書。



STOMPING THE BLUES
Albert Murray

( C ) 1982 / FirstVintageBooksEdition