表紙で買った本 (連載 103)


   友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の

あいだに出会った たくさんの本の中から

ポツリ ポツリと 気の向くままに

選んでもらって ご紹介致します。




103


El Filibusterismo

Jose Rizal



物語の舞台はフィリピン。

まずボートの乗客達の会話で登場人物が紹介

されてゆく。橋を作ることになっていたのを、

サイエンティスト達が安全上の問題があると、理論を

前に出し、途中で工事が終わってしまった。

けれど、その橋が洪水やら地震に持ちこたえている、

おかしいだろう、と一人が言う。

湖の問題があるから・・・・と、また独りつぶやく。

そこでシモーヌが新しい運河を作る計画を持ち出すが

それには多額の金がかかると反対される。

それに応えて、

” 囚人や犯罪者を労働に使うんだ。

そうすりゃ金は僅かで済む。

大きな物を作るには、ほんの少しの資産を使うのさ。

エジプトのピラミッド、ローマのコロシアム、

それらはみなそういう風にして出来たんだ。

労働者が死んだらそれで終わりだ。

強者が栄えてゆくんだ。 ”


フィリピンの独立を望んだ ホセ・リサールの二作目。









EL FILIBUSTERISMO
Jose Rizal
( C ) PENGUIN CLASSICS, 2011