表紙で買った本 (連載 bT)


   友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の

あいだに出会った たくさんの本の中から

ポツリ ポツリと 気の向くままに

選んでもらって ご紹介いたします。


   

5
        

     Murrow
     His Life and Times 





     CBSの海外特派員だった、ウイリアム・マーローは

     ロンドンがドイツの爆撃を受けている。その爆撃を

     ビル屋上からLONDON calling と称して

     生でアメリカ市民にラジオで伝えたのは

     第2次世界大戦、マーロー32歳の時だった。


  
     優れたアナウサーであり、時代をしっかり見続けた

     人間性は沢山の信奉者を生む。ラジオの時代から

     テレビに移った時もそれは変わらない。



     けれどもラジオがそうであったように、テレビも真実を

     伝える道具としての役割も別の方の力が前に強く

     出してしまい、正義感の人一倍強い彼を悩ませる

     事になる。



     近ごろ上映された

       『GOOD LUCK and GOOD NIGHT』は

     ローマーのTV時代の一面ではあるが、それを

     現在、映画として見ると当時のアメリカがいかに

     共産主義(ソ連)におびやかされていたのが

     よく理解出来る。

     ブラックリスト、ハリウッド10、そしてマッカシイと

     続きたRED HUNT(共産主義の弾圧)はここで

     テレビに登場してアメリカの正義を問うことになる。



     この本は$25だったのが、Saleで$3.9を、

     そしてその半額$1.98になったのを私は手に入れた。

     700ページある重い本である。

     しあわせは重さで決まるとはこの事である。



Murrow
His Life and Times
A.M.Sperber 
(c) 1986 FREUNOLICH BOOKS