表紙で買った本 (連載 bR)


   友人のとも吉さんは本が大好き。長い外国生活の

あいだに出会った たくさんの本の中から

ポツリ ポツリと 気の向くままに

選んでもらって ご紹介いたします。


   

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              SILENT SPRING 




    自然が美しいというのは、私達人間がまだそれを汚していないということで、
    地方に大きな工場が沢山出来ると、環境(自然)は必ず変わってしまうもの
    である。そしてそれは、常に良い方向であったためしがない。

    海洋生物学者であったレイチェル・カーソンも自分の生まれ育った田舎に帰
    って、あまりにも変わり果てた自然に疑問を持ち調査し、その殺虫剤の恐ろ
    しさを淡々と語る。

    DDTという名前を覚えているのはもう50代以上の人達だ。
    このDDTという薬は万能殺虫剤として世に登場した。たとえばDDTを散布す
    ると、そこ一体害虫が全て死んでしまうという代物。けれど、DDTの恐ろしさ
    はその力が、その10年後も全く変わらないというところで、これが食物連鎖
    を壊してしまう。

    1962年に出たこの本は、薬品会社や科学者からの仕組まれた批判にも
    のともせず、環境に感心を持つ人達のバイブルとして静かな道をゆっくり歩
    き始めた。 


SILENT SPRING
(c) 1962 Houghton − miffin co